令和4年度 大和高田市立病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 759 98 151 254 380 455 605 1298 1238 354
 全国的に少子高齢化が進んでいるのに合わせて、当院の昨年度の年齢別退院患者数では、70歳以上の割合が全体の51.7%と過半数で、80歳以上も28.5%を占めています。
60歳代と70歳代では、外科、整形外科、泌尿器科などで手術を受けられる患者さんが多く、また内科では通年の肺炎に加え、2020年来猛威を振るっている新型コロナ感染症の入院が多くなっていると考えられます。
80歳以上では、誤嚥性肺炎や心不全のため内科に入院される患者さんが多く、また、股関節大腿近位骨折に対し、整形外科で手術を受けられる患者さんの割合が高くなっています。
20歳代から50歳代までの患者さんの割合は22.2%です。この年代は、当院では産婦人科で出産のため入院される患者さんや乳がんのため乳腺外科で手術を受けられる患者さんの割合が高くなっています。
10歳代以下は全体の15.3%で、種々の感染症や肺炎、喘息などの呼吸器疾患に対する小児科での入院の割合が高くなっています。最近では、病状は安定しているものの在宅で人工呼吸器などの医療機器を使用されている小児の患者さんに対し、ご家族の負担軽減のためレスパイト入院も導入しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 88 32.13 17.54 3.41 83.52
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 72 35.53 21.11 11.11 83.08
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 69 9.77 8.94 1.45 80.09
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 47 19.60 13.61 0.00 80.23
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 38 7.05 7.76 0.00 76.79
 内科は消化器内科、循環器内科、呼吸器内科と専門分野があり、市立病院として高齢化する地域の患者さんの健康を守る役割を果たしています。
 高齢になると心機能が低下し、心不全を生じて寿命を迎える患者さんも数多くいますが、最新の治療薬を用いて心機能の回復を図り、在宅に復帰できるように診療しています。
 また高齢となると、嚥下が困難になり誤嚥して肺炎を生じる患者さんも多く、嚥下機能の回復する訓練などをするために入院期間が長くなります。大病院のように急性期だけみて嚥下機能の回復は地域の病院にお任せしますとは言えません。患者さんが肺炎に罹患してもまた食事摂取ができるようになって元気に退院されることを目指しています。
 また、2022年度より消化器内科医の増員に伴い、最新の内視鏡機器を導入し早期胃癌の診断、内視鏡治療も積極的に行うようにしています。膵胆道系疾患についても総胆管結石や悪性腫瘍による閉塞性胆管炎を生じた患者さんに対しては内視鏡的胆道ドレナージを行い、急性期をしのぎ、その後乳頭切開術などをして総胆管結石を採石したり、ステント留置などの処置をしています。さらに、2022年度には、腎臓内科も常勤医が2名在籍するようになり、腎疾患の診断・治療面において、これまで大病院へ紹介していた疾患を当院で診療できるようになりました。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) 118 5.29 4.59 0.85 69.69
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 83 1.27 2.66 0.00 71.72
060335xx02000x 胆嚢炎等 73 7.32 6.93 1.37 65.64
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 57 10.49 9.99 0.00 65.37
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 52 6.65 5.67 0.00 62.88
 外科は消化器外科、乳腺外科、下肢静脈瘤外科からなり各々の専門医が診療を担当しています。
 消化器外科では、鼠径ヘルニア、下肢静脈瘤、胆嚢炎などの良性疾患および胃がん、大腸がん、肝胆膵領域のがん等の悪性疾患が多くを占めています。
鼠径ヘルニアは特に成人が多く、当院ではその大多数に腹腔鏡手術を行っております。
下肢静脈瘤に対しては血管内ラジオ波焼灼術、グルー治療を行っております。
また、当院は急性胆嚢炎の緊急手術や胆石症、胆嚢ポリープなどの胆嚢疾患の手術が多いことも特徴です。
  乳腺外科では、乳がんの診療が主体です。乳腺の悪性腫瘍手術は腋窩郭清を伴うもの、伴わないものを合わせると年間100例を超えています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160610xx01xxxx 四肢筋腱損傷 93 21.77 16.41 0.00 68.99
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 74 42.70 26.42 17.57 82.85
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 36 29.75 20.14 0.00 72.11
160760xx97xx0x 前腕の骨折 34 9.91 4.86 0.00 54.91
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 32 43.53 20.09 3.12 79.59
 当科では、特色ある医療として、より侵襲的な治療を目指して関節鏡を用いた手術治療を肩や膝に行っています。
 また、地域の医療に貢献すべく、高齢者の骨折、特に手術加療が日常生活への復帰のカギとなる大腿近位骨折(大腿骨頸部骨折・転子部骨折など)・前腕遠位骨折(橈骨遠位端骨折など)・上腕近位骨折(上腕骨頸部骨折など)を積極的に受け入れています。股関節骨頭壊死、股関節症の手術目的の入院が増加しています。        
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 118 5.60 5.89 0.85 1.36
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 113 5.61 6.13 0.00 0.00
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 70 1.01 2.09 0.00 1.49
140010x199x1xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 56 7.93 10.26 1.79 0.00
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 42 4.24 5.70 0.00 3.26
 当院では、急性から慢性疾患まで幅広く全人的医療を行っています。
 急性期疾患では感染症に罹患されて受診される患者さんが多くおられます。
感染症では主に呼吸器疾患が多く、必要な検査を行い全身状態を慎重に評価して外来から入院加療への移行を行っています。当院は新型コロナウイルス感染症の重点医療施設であったため、ご紹介いただいた多くの小児患者さんの入院加療も初期から積極的に行っていました。
一般の感染症においても、乳幼児などの低年齢の患者さんでは入院加療を要することがありますが、いずれの疾患でも早期の適切な治療介入により早期の回復に努め、平均在院日数が全国平均を下回る結果となりました。
 慢性疾患では、主に午後の外来でアレルギー、内分泌、神経、血液、腎疾患などの予約診療も行っています。
 また、当院では産科を併設していることから、院内出生の病的新生児の管理も行っています。安心安全なお産をサポートするため、必要時には分娩立ち会いも行い、クリニカルパスを活用し、新生児一人一人のリスクに応じたより安全な新生児管理を行っています。近年では地域の分娩制限も解除したことから、分娩数も多く、新生児入院数も多くなっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 75 6.95 5.98 0.00 46.59
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 57 9.25 9.38 0.00 33.02
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 55 7.18 6.04 0.00 47.85
120010xx99x70x 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 44 4.14 4.08 0.00 56.59
12002xxx02x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 38 2.26 3.02 0.00 40.37
 子宮筋腫、卵巣腫瘍などの良性疾患に対する治療は、できるだけ腹腔鏡下手術で行っています。腹腔鏡下手術は患者の侵襲が少なく、術後疼痛も軽減でき、入院期間も短縮できる手術です。
 悪性腫瘍に対する治療は、手術、抗がん剤による化学療法、放射線治療を組み合わせた集学的治療を行っています。
 産科診療としては、妊娠35週以降であれば小児科が対応できるため、切迫早産に対して妊娠期間を延長できるように治療を行っています。また、分娩後の新生児管理は、小児科と連携して診療を行っています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 111 5.42 5.29 1.80 65.53
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 97 7.08 6.85 1.03 76.11
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 72 3.29 2.45 1.39 73.71
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 39 13.41 13.61 5.13 77.36
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 25 9.80 7.82 0.00 75.72
 最も多かったのは、腎結石や尿管結石に対する経尿道的手術を受けられる患者さんでした。当院は他院から紹介される複雑な結石症患者も多いですが、平均入院期間が5.42日と昨年の平均入院期間(6.56日)と比べても1日短くなっております。
 続いて多いのは、膀胱癌のため経尿道的手術を受けられる患者さんです。この手術を受けた患者さんの平均入院期間が7.08日で、全国平均とほぼ同等の入院期間となりました。昨年度まで1番多かった前立腺針生検が患者数が、本年度は3位でした。2日間の検査入院をしていただいております。平均入院期間が3.29日と長かったのは、前立腺癌に対する前立腺全摘術を施行した患者さんが含まれているからと思われます。
 本年度は、他施設から紹介となるような尿路感染症の患者さんも多くおられ、入院期間が13.41日でした。腎結石や尿管結石に関連した尿路感染症の患者さんもおられ、それらの患者さんでは入院に引き続いて尿路結石に対する治療を行うこともあります。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 225 3.92 2.63 0.00 77.32
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 - - 4.67 - -
020250xx97xxxx 結膜の障害 - - 3.09 - -
 眼科では白内障の手術を入院で行っております。基本的には、片眼を1回の入院(3泊4日)で手術を行っております。
日帰り手術ではなく、術前、術後とゆったりした状態で安心して手術を受けて頂けます。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 23 9.43 7.73 0.00 26.61
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 20 7.80 5.69 0.00 50.65
 炎症性疾患に関しては、なるべく短期間の入院になる様に努力しております。 慢性扁桃炎、アデノイド増殖症等に対する手術では様々な止血デバイスを使用し、術中・術後の出血を極力減らす手術を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 32 - 11 27 17 11 1 6,7,8
大腸癌 21 18 33 29 17 19 1 7,8
乳癌 45 46 - - - 12 1 8
肺癌 - - - - - - 1 8
肝癌 - - - - - 17 1 6,7,8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 当院ではがん患者さんに対し、手術・化学療法・放射線治療・緩和治療を中心とした集学的治療を行う体制が整っております。
それぞれの分野の専門医が領域横断的に連携し、的確な診断と最善の治療を駆使して、がんの根治、予後の延長を目指しています。また、転移・再発した終末期のがん患者に対してはより良いQOLを求め積極的に緩和医療を行っています。
 胃癌では早期がん症例が増加しており、低侵襲な内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)や腹腔鏡下手術を積極的に行い、QOL低下が最小限となるよう努めています。進行がんに対しては、手術だけでなく、補助療法として術前や術後に薬物療法を併用することで再発リスクを低減するよう努めております。
 大腸癌では、切除可能なStageII,III症例が増加しており、その多くに低侵襲な腹腔鏡手術を行っております。また、転移を伴うStageIV症例でも化学療法と手術の併用で根治や延命が得られることも少なくありません。
 乳癌に対しては年間100例以上の手術を行っています。手術と薬物治療の進歩により、根治性と整容性の両面で満足の得られる治療を目指しています。特に当院では術後の放射線治療が可能なため積極的に乳房温存療法を行っています。
 肺癌では、切除可能例は呼吸器外科のある施設に紹介し、当院では進行・再発がんを対象に、主に緩和治療を行っております。
 肝臓癌は、C型肝炎の治療薬の開発により、発生率は減少傾向です。一方で、大腸癌の肝転移症例に対する肝切除手術は増加傾向です。当院は施設認定を受けて肝切除にも腹腔鏡手術を導入し、良好な手術成績を収めています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 12 8.00 63.92
中等症 48 18.75 83.38
重症 12 35.25 84.58
超重症 - - -
不明 - - -
 普段の社会生活の中で罹患する肺炎が市中肺炎ですが、高齢化に伴い体力・免疫力が低下し重症化することが多くなります。入院期間も延長しますが、高齢で重症化しても治癒を目指して診療しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 32 42.59 79.16 19.05
その他 10 29.60 72.60 2.38
 本院は脳外科、神経内科の常勤専門医が不在なので、超急性期の血栓溶解療法ができません。超急性期を過ぎた患者さんを中心に診療しており、麻痺が生じてしまった患者さんにリハビリを行い身体機能の回復を図っています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 45 5.31 17.40 2.22 82.02
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術) 38 0.61 5.42 0.00 77.16
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 33 5.45 3.00 0.00 68.39
K654 内視鏡的消化管止血術 31 0.55 12.00 3.23 72.84
K6871 内視鏡的乳頭切開術(乳頭括約筋切開のみのもの) 22 3.95 9.68 0.00 76.73
 患者さんの負担が少ない内視鏡治療ができるように早期発見に努めています。
 2022年度より消化器内科医の増員に伴い、最新の内視鏡機器を導入し早期胃癌の診断、内視鏡治療も積極的に行うようにしています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 110 1.28 5.95 0.91 66.00
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 96 1.01 3.17 1.04 68.88
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 67 0.09 0.16 0.00 71.72
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 52 1.00 4.65 0.00 62.88
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 33 4.64 12.97 0.00 73.24
 当院の手術件数で腹腔鏡下胆嚢摘出術が最多です。急性胆嚢炎に対しても診療ガイドラインで推奨されているように、早期に積極的に腹腔鏡下手術を行っています。また、胆石症、胆嚢ポリープなどの胆嚢疾患の手術が多いことも特徴です。 
 鼠径ヘルニアに対しては、低侵襲な腹腔鏡下手術を標準術式としており、術後創部痛を軽減し早期退院を目指しています。
 下肢静脈瘤に対する手術は血管内ラジオ波焼灼術、グルー治療というより低侵襲な術式が標準的となり増加傾向です。
 乳癌の手術は2名の乳腺外科専門医師が行っており、年間100件以上の手術を行っています。術式は乳房温存手術、乳房切除術、乳房再建手術の順に多く、多岐にわたって行っています。また、手術中に迅速病理検査を行い、断端やセンチネルリンパ節を調べることにより、安全で過度の侵襲のない手術を心掛けています。
 大腸癌の手術件数は増加傾向です。当院には大腸外科専門医師が3名在籍しています。通常の大腸癌に対してはほとんど腹腔鏡手術を行っており、また、大腸癌イレウスや高度狭窄を伴う進行大腸癌に対してはステント留置後に待期手術を行う機会も増加しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K080-41 関節鏡下肩腱板断裂手術(簡単なもの) 95 1.03 21.23 0.00 68.77
K0461 骨折観血的手術(上腕) 64 2.39 40.53 9.38 80.13
K0821 人工関節置換術(股) 56 1.18 31.13 0.00 72.93
K0811 人工骨頭挿入術(股) 37 2.89 43.43 18.92 81.78
K0462 骨折観血的手術(下腿) 34 1.18 12.74 0.00 61.44
 当科では、特色ある医療として、より侵襲的な治療を目指して関節鏡を用いた肩・膝の手術治療に注力しています。特に、関節鏡下肩腱板断裂手術を多数施行しています。股関節骨頭壊死、股関節症に対する人工関節置換術(股)の手術も施行しています。
 また、地域の医療に貢献すべく、手術加療を要する大腿近位・前腕遠位・上腕付近の骨折については断らない医療を目指しています。     
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 74 1.15 5.09 0.00 47.11
K8982 帝王切開術(選択帝王切開) 62 4.21 7.29 0.00 32.56
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡によるもの) 56 1.02 5.07 0.00 47.36
K867 子宮頸部(腟部)切除術 38 0.26 1.00 0.00 40.37
K8981 帝王切開術(緊急帝王切開) 35 3.20 8.00 0.00 30.29
 子宮筋腫、卵巣腫瘍などの良性疾患に対する治療は、できるだけ腹腔鏡下手術で行っています。腹腔鏡下手術は患者の侵襲が少なく、術後疼痛も軽減でき、入院期間も短縮出来る手術です。
 年間分娩件数は312件で帝王切開率は約31%です。前回帝王切開、骨盤位等に対して選択的帝王切開を施行し、遷延分娩、胎児機能不全等に対して緊急帝王切開を行っています。また、患者の希望により、横切開にて帝王切開を行っています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 120 3.87 4.22 3.33 66.36
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用のもの) 115 1.03 5.02 0.87 76.08
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 29 0.83 6.79 20.69 71.86
K007-2 経皮的放射線治療用金属マーカー留置術 24 1.00 1.00 0.00 74.92
K8411 経尿道的前立腺手術(電解質溶液利用のもの) 24 1.75 8.00 0.00 75.92
 腎結石や尿管結石に対しては、尿道から細い内視鏡を挿入し、レーザーを用いて結石を細かく砕いて取り除く経尿道的尿路結石除去術(レーザー)を多く行っております。通常手術前日に入院し、5日間の入院期間ですが、感染症の合併があれば手術前後に抗生剤治療が必要なため、術前が3.87日、術後が4.22日の平均入院期間となりました。
 膀胱癌の多くは経尿道的手術で切除可能です。内視鏡の先端に電気メスをつけて、膀胱癌を切除します。癌の状態により変わりますが、術後2-3間の尿道カテーテル留置が必要です。カテーテル抜去後に退院していただきますが、電解質液使用の手術での平均術後日数は5.02日で、昨年度(6.32日)と比べ平均術後日数が1日短くなりました。
 経尿道的尿管ステント留置術を行う多くの場合は、尿管結石による尿路閉塞を合併する急性腎盂腎炎です。この病状は敗血症など非常に重篤な病状になりやすく、ステント留置と抗菌剤投与、輸液が必要となります。平均術後日数が6.79日でした。
 前立腺癌の局在や進行の程度によりますが、前立腺癌の対する放射線外照射を行う患者さんでは、放射線照射に伴う直腸出血などの合併症予防に、経皮的放射線治療用筋マーカー留置術とともにハイドロゲルスペーサーを前立腺と直腸の間に留置する手術を行っています。手術前日に入院し、術後1日目に退院となります。
 高度の前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺手術も多く行なっています。薬剤による治療効果が不良な患者さんに行う手術で、電解質溶液を用いることで、手術合併症を軽減できています。術後数日間の尿道カテーテル留置と抜去後の排尿状態の観察が必要なため、平均術後日数8.00日となっています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 229 1.00 1.93 0.00 77.39
K224 翼状片手術(弁の移植を要するもの) - - - - -
 眼科では主に白内障の手術を行っております。基本的には、片眼を1回の入院(3泊4日)で手術を行っております。
日帰り手術ではなく、入院しての手術となるため、術前、術後とゆったりした状態で手術を受けて頂けます。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 22 1.00 7.00 0.00 26.00
K340-4 内視鏡下鼻・副鼻腔手術2型(副鼻腔単洞手術) - - - - -
K3892 喉頭ポリープ切除術(直達喉頭鏡によるもの) - - - - -
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみの場合) - - - - -
K6261 リンパ節摘出術(長径3センチメートル未満) - - - - -
 口蓋扁桃摘出術に対し、術中および術後出血を減らすために様々な手術器具を使用して手術を行っております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 2 0.04
異なる 7 0.13
180010 敗血症 同一 21 0.38
異なる 14 0.25
180035 その他の真菌感染症 同一 0 0.00
異なる 0 0.00
180040 手術・処置等の合併症 同一 7 0.13
異なる 3 0.05
 種性血管内凝固症候群と敗血症は重篤な病状となります。それぞれの発生率は上記のとおりであり、敗血症は入院契機となることも多いですが、播種性血管内凝固症候群は入院契機になることはまれです。
 真菌感染症はまれな感染症です。手術・処置等の合併症のほとんどは内シャント血管の閉塞です。
更新履歴
2023.9.30
病院指標の公表